「毎日一生懸命練習しているわが子のために、食事でできることはないだろうか」
「試合で最後まで走りきれるカラダを作るには、何を食べさせればいいの?」
スポーツに励む子どもを支えるうえで、食事はトレーニングと同じくらい大切な要素です。
しかし、スポーツ栄養と聞くと「たんぱく質は何g」「糖質は何g」など、少し難しそうに感じてしまう方もいるかもしれません。
子どものスポーツ栄養では「細かい計算」ではなく、“食べるタイミング”と“栄養の役割”を理解することが大切です。
この記事では、スポーツ栄養の基本と、試合前・試合後・日常でできる具体的な食事の工夫をご紹介します。
スポーツ栄養の基本|食べるタイミングと栄養の役割
一般的な栄養学が「健康維持のための食事」を考えるのに対し、スポーツ栄養は次の3つが軸になります。
①エネルギーを入れるタイミング
②胃腸への負担を減らす工夫
③運動後の回復
食事はカラダを動かすエネルギー源です。
そのため「いつ食べるか」で、運動中のコンディションが大きく変わります。
【試合前日の夕食】消化の良い炭水化物中心
日本では「勝つためにカツ(とんかつ)」というゲン担ぎをすることがありますが、試合前日は注意が必要です。
揚げ物は消化に時間がかかるため、翌日に胃の重たさが残ることがあります。
たんぱく質は日々のカラダづくりに欠かせませんが、試合前日は消化を考えて、量は大きく変えずに、食べやすい種類を選ぶことが大切です。
控えめにしたいもの
・脂質の多い料理(揚げ物やルーを多く使った料理など)
・食べ慣れていないもの
・食べすぎ
ポイントは「エネルギーをしっかり蓄えつつ、消化に負担をかけないこと」です。
また「炭水化物中心」といっても、単品料理という意味ではありません。
消化に良いたんぱく質や野菜を組み合わせることで、満足度も栄養価もアップします。
献立イメージ
・うどん∔卵∔ほうれん草などの野菜
お餅を1つ入れると、さらにエネルギーが蓄えられます。
・白米∔豆腐とわかめの味噌汁∔焼き魚(または蒸し鶏)
お肉なら、脂身の少ない鶏むね肉やヒレ肉を選び、蒸したり焼いたりするのがおすすめです。
・親子丼(皮なし鶏肉)∔野菜の煮物
生野菜より、火を通した野菜の方が胃腸に優しく、カサも減って食べやすくなります。
試合前は緊張やプレッシャーで食欲が落ちてしまう場合もあります。
そんな時は、無理に固形物を詰め込まず、具だくさんのスープや煮込みうどんなど、
「温かくて、するっと喉を通るもの」がおすすめです。
【試合当日の食事】食後のカラダの軽さを優先させる
試合当日は「たくさん食べる」よりも、カラダを軽く保つことが重要です。
朝食は和食が理想です。
試合当日の朝食例
※あくまで一例です。
・ごはん
・味噌汁
・焼魚
・梅干し
脂っこい食事や食べ慣れない生もの、食物繊維の多いものは控えましょう。
試合中の腹痛や急なトイレを防ぎ、パフォーマンスを発揮しやすくするためです。
【試合・練習後】30分以内が回復のゴールデンタイム
スポーツ栄養で特に重要なのが、運動直後の食事です。
運動後30分以内は、カラダが栄養を強く欲しているため、回復効率が高いといわれる時間帯です。
特に意識したい栄養素は次の3つです。
・糖質(エネルギー回復)
・たんぱく質(筋肉修復)
・ビタミンC(疲労回復や免疫サポート)
おすすめ例
・鮭おにぎり
・豆乳
・オレンジジュース
このタイミングで栄養を入れることで、翌日に疲れを残しにくくなります。
運動後は食欲も落ちるので、簡単に栄養補給できるゼリー飲料など、口にしやすい、食べやすいものがおすすめです。
また水分補給はただの水よりも、少量の塩分を含んだ飲料(0.1~0.2%程度、スポーツドリンクと同程度)の方が水分の吸収を助け、汗で失った塩分を補うことができます。
好みの飲みやすいスポーツドリンクもおすすめです。
スポーツを頑張る子どもの毎日の食事の基本「まごわやさしい」
日常の食事では、特定の栄養だけでなくバランスが重要です。
そこで役立つのが、「まごわやさしい」です。
・ま:豆類(納豆・豆腐など)
・ご:ごま
・わ:わかめ(海藻類)
・や:野菜
・さ:魚
・し:しいたけ(きのこ類)
・い:いも類
これらを毎日の食事の中で取り入れることで、自然とバランスの良い食事になります。
特に、きのこ類は冷凍することで旨みが増すためストック食材として便利です。
また、ごまはふりかけのようにご飯にかけると手軽に取り入れることができます。
特別な食事より、続けられる習慣が大切
スポーツ栄養だからといって、特別な食事を用意する必要はありません。
大切なのは、食べるタイミングと栄養の役割を意識し、無理なく続けることです。
まずは、次のような小さな工夫から始めてみましょう。
・練習後にオレンジジュースを飲む
・試合前日の夕食を軽めにする
それだけでも、子どものカラダづくりを十分にサポートできます。
毎日の食事が、子どもの力を支える土台になります。


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