栄養士×元美容部員が解説|美肌づくりの基本は「スキンケア」と「インナーケア」の両立

スキンケアとインナーケア Beauty

「毎日スキンケアを頑張っているのに、思うような変化を感じない。」
「美容のために食事にも気をつけているけれど、本当にこれで合っているのかな?」

そんなふうに感じたことはありませんか。

美肌を目指すと、高価な化粧品や話題の美容成分に目が向きがちです。しかし、健やかな肌づくりには、外側からのスキンケアだけでなく、毎日の食事や生活習慣によるインナーケアも欠かせません

実は、スキンケアで人気の美容成分の中には、食事からも取り入れられるものがあります。それぞれ役割は異なりますが、内側と外側の両方から取り入れることで、美肌づくりをサポートすることが期待できます。

この記事では、インナーケアとスキンケアの役割の違いを解説し、美肌づくりに取り入れたいビタミンC・セラミド・レチノール(ビタミンA)の特徴や取り入れ方をご紹介します

美肌づくりには「インナーケア」と「スキンケア」の両方が欠かせない

肌は一枚の膜のように見えますが、実際には「表皮」「真皮」「皮下組織」など、さまざまな組織で構成されています。新しい肌細胞は、表皮の最も深い部分にある基底層で作られ、少しずつ肌表面へ押し上げられていきます。(※1) 

そのため、美肌づくりには、外側から肌を守るスキンケアと、内側から肌の材料を補うインナーケアの両方が欠かせません。

インナーケアスキンケア
毎日の食事から栄養素を補う化粧品で肌を保湿・保護する
体の内側から健やかな肌づくりを支える乾燥や紫外線などの外部刺激から肌を守る
継続することで肌の土台づくりにつながる今ある肌のコンディションを整える

インナーケアは「肌の土台」を支える

肌は、毎日の食事から摂ったたんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素を材料として作られています。しかし、体内に吸収された栄養素は、まず脳や心臓など生命維持に欠かせない臓器へ優先的に使われます。そのため、肌は栄養状態や生活習慣の影響を受けやすい組織です。

また、肌は一定の周期で新しく生まれ変わります。この仕組みはターンオーバーと呼ばれ、健康な成人では一般的に約28日が目安とされていますが、年齢や生活習慣によって個人差があります。

つまり、今日の肌は、これまでの食事や睡眠、運動など、毎日の積み重ねによってつくられています。だからこそ、特定の食品だけに頼るのではなく、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を基本に、不足しやすい栄養素を意識して補うことが大切です。

スキンケアは「肌を守る」ためのケア

一方、スキンケアは、肌表面のうるおいを保ち、乾燥や紫外線、摩擦などの外部刺激から肌を守る役割があります。化粧水や乳液、クリームなどは、角質層の水分と油分のバランスを整え、肌のバリア機能をサポートします。

インナーケアは肌をつくる土台を支え、スキンケアは今ある肌を守るものです。 どちらか一方だけでは十分とはいえません。それぞれの役割を理解し、毎日の生活に無理なく取り入れることが、健やかな肌づくりへの第一歩です。

美肌づくりに取り入れたい3つの成分

インナーケアとスキンケアは、それぞれ異なる役割を持っています。
美肌づくりを支える成分の中には、食事とスキンケアの両方で取り入れられるものがあります。

ここでは、毎日の生活に取り入れやすいビタミンC・セラミド・レチノールの3つをご紹介します。

どの成分にも得意とする働きがあるため、「どれが一番良い」というものではありません。今の肌悩みやライフスタイルに合わせて取り入れることが大切です。

成分インナーケアスキンケア
ビタミンCコラーゲン生成・抗酸化作用毛穴・透明感※ケア
セラミドうるおいを保つサポート保湿・バリア機能
レチノール皮膚や粘膜の健康維持ハリ・弾力ケア

食事とスキンケアでは役割が異なります。それぞれの特徴を理解し、組み合わせて取り入れることが大切です。

ビタミンC|毎日の食事で意識したい代表的な栄養素

ビタミンCは、コラーゲンの生成に必要な栄養素で、皮膚や血管などの健康維持に欠かせません。また、活性酸素から細胞を守る抗酸化作用を持つことでも知られています。(※2)

ビタミンCは体内でほとんど合成できず、一度に多く蓄えることもできないため、毎日の食事から継続して補うことが大切です。

多く含まれる食品
・赤パプリカ
・ブロッコリー
・キウイ
・いちご
・柑橘類

ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱い性質があります。加熱時間を短くしたり、生で食べられる食品を上手に取り入れたりすると、効率よく摂取できます。

スキンケアでは、ビタミンC誘導体を配合した化粧品が多く販売されています。毛穴が目立ちにくいなめらかな肌へ整えるサポートや、美白※ケアを目的として取り入れられることが多い成分です。 食事からビタミンCを補うことと組み合わせることで、内側と外側の両方から肌をサポートできます。(※3)

※メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐこと(医薬部外品の効能)。

セラミド|乾燥対策の基本となる成分

セラミドは、角質層に存在する細胞間脂質の一つで、肌の水分を保持し、バリア機能を支える重要な成分です。年齢や乾燥、紫外線などの影響で減少すると、肌のうるおいが保ちにくくなり、乾燥しやすい状態につながることがあります。(※4)

肌が乾燥すると、つっぱり感やカサつきを感じるだけでなく、外部からの刺激を受けやすくなることがあります。そのため、肌のうるおいを保つことは、美肌づくりの基本といえます。

食品では、こんにゃくや米、小麦、大豆などに植物由来グルコシルセラミドが含まれています。(※2)

多く含まれる食品
・こんにゃく
・米
・小麦

ただし、セラミドを含む食品を食べることで、そのまま肌のセラミドが増えるわけではありません。研究が進められている分野であるため、特定の食品だけに頼るのではなく、バランスのよい食事を基本に取り入れることが大切です。

スキンケアでは、セラミドは化粧水や乳液、クリームなど幅広い製品に配合されています。毎日の保湿ケアで角質層のうるおいを保ち、バリア機能をサポートするため、乾燥が気になる方はもちろん、季節の変わり目やエアコンによる乾燥が気になる方にも取り入れやすい成分です。

肌は乾燥してからケアするよりも、乾燥する前にうるおいを守ることが大切です。そのため、毎日のスキンケアとバランスのよい食生活を続けることが、健やかな肌づくりにつながります。

レチノール|年齢に応じたスキンケアを始めたい方に

レチノールは、年齢に応じたスキンケアを意識する方から人気の高い美容成分です。ハリや弾力のある肌を目指したい方に選ばれ、エイジングケア※化粧品にも幅広く配合されています。

 栄養素としてのビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持に欠かせません。また、にんじんやかぼちゃなどに含まれるβ-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるため、ビタミンAの供給源の一つとなります。β-カロテンには抗酸化作用があることも知られています。(※2) 

多く含まれる食品
・レバー
・卵
・うなぎ
・にんじん
・かぼちゃ

ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、油と組み合わせて調理すると吸収されやすくなります。

スキンケアでは、ハリや弾力を意識した美容液やクリームなどに多く配合されています。美容部員として働いていた頃も、レチノール配合の美容液はスタッフの間で人気が高く、「肌のハリを実感しやすい気がする」「継続して使いたい」と話す人が多くいました。感じ方には個人差がありますが、多くのスタッフが使い続けていたことが印象に残っています。

一方で、使い始めには赤みや乾燥などの刺激(レチノイド反応)が現れることがあります。最初は少量から様子を見ながら使用し、製品の使用方法を守ることが大切です。また、日中に使用する場合は、日焼け止めなどで紫外線対策を行いましょう。(※5)

※エイジングケア:年齢に応じたお手入れのこと。

毎日の積み重ねが未来の肌をつくる

肌のコンディションは、一日で大きく変わるものではありません。毎日の食事や睡眠、紫外線対策、保湿など、小さな習慣の積み重ねが、健やかな肌を育みます。

スキンケアは今ある肌を守り、インナーケアはこれから生まれる肌を支えます。どちらか一方に偏るのではなく、それぞれの特徴を生かしながら続けることが大切です。

変化はすぐに実感できなくても、今日の食事やスキンケアは、数週間後、数か月後の肌につながっていきます。

まずは、ビタミンCを含む食品を毎日の食事で意識して取り入れたり、乾燥が気になる方はセラミド配合の保湿アイテムを選んだりと、できることから始めてみましょう。

未来の自分の肌のために、食べることとスキンケアの両方を、毎日の暮らしに無理なく取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考文献
※1 花王 スキンケアナビ「表皮の構造と働き」
※2 厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2025年版)』
※3 健康サイト by アリナミン製薬「ビタミンCがもたらす効果とは?」
※4 花王 スキンケアナビ「角層の細胞間脂質」
※5  美容ヒフコ「ビタミンA(レチノール)の美肌効果!」

参考資料
・文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』
・日本化粧品工業会『化粧品Q&A』





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