最近「糖化」という言葉を耳にすることが増えてきました。
糖化は、肌のくすみ・シワ・たるみなど、肌老化の原因の一つといわれています。
糖化とは、カラダの中で余分な糖とたんぱく質が結びつき、たんぱく質の性質が変化してしまう現象のことです。
そして、この糖化の結果として体内に生まれるのが「AGEs(エージーイー)」と呼ばれる物質です。
AGEsは老化に関わる物質として注目されており、肌や血管などカラダの様々な組織に影響するといわれています。
つまり、糖化を防ぐということは、このAGEsをカラダに溜め込まないようにすることでもあるのです。
糖化が肌老化を進める理由
糖化の厄介なところは、カラダに必要なたんぱく質まで巻き込んでしまうこと、
そして一度できると排出されにくいところです。
私たちのカラダの中では、肌のハリを支えるコラーゲン、血管や筋肉、臓器など、さまざまなたんぱく質が働いています。
本来なら、食事からとったたんぱく質はカラダの材料となり、肌やカラダを元気に保つために使われます。
しかし、カラダの中に余分な糖が多いと、必要なたんぱく質と結びついてAGEsが作られてしまうことがあります。
その結果、せっかく摂取したたんぱく質も本来の働きがしにくくなってしまうのです。
現代の日本人は、たんぱく質の摂取量が不足気味の人も多いといわれています。
そこに糖化が重なると、カラダで使えるたんぱく質がさらに減ってしまう可能性があります。
糖化を進める原因
糖化を進める大きな要因のひとつが、高血糖です。
血糖値が高い状態とは、血液中に糖が多く存在している状態を指します。
血液中の糖が増えると、カラダはそれを処理するためにインスリンを分泌し、血糖値を一定に保とうとします。
しかし、糖の量が多い状態が続くと、この調整が追いつきにくくなります。
その結果、余分な糖が体内のたんぱく質と結びつきやすくなり、糖化が進行しやすい環境が作られます。
特に気を付けたいのが、次のような習慣です。
・甘いものの食べ過ぎ
・血糖値スパイク(血糖値の急激な上昇)
血糖値スパイクが起こると、短時間で血糖値が大きく変動し、カラダの調整が追いつきにくくなります。
糖化を防ぐために知っておきたいこと
糖化を予防するうえで、知っておきたいポイントは次の2つです。
・食品GI値
・調理方法
GI値 「食後の血糖値の上がりやすさ」に関する指標
GI値とは、その食品を食べたあとに、血糖値がどの程度上がりやすいかを示す指標です。
高GI食品
白米、食パン、砂糖など
食後の血糖値が急に上がりやすい食品です。
そのため、血糖値を下げるためにインスリンが多く分泌され、血糖値の調整にカラダの負担がかかりやすくなることがあります。
低GI値
玄米、全粒粉、そば、葉物野菜など
食後の血糖値がゆるやかに上昇しやすい食品です。
糖の吸収が比較的ゆっくり進むため、血糖値の上昇もゆるやかになります。
そのため、血糖値の急激な変動が起こりにくく、カラダのバランスが保たれやすいとされています。
「おいしそうな焼き色」はAGEsのサイン
糖化はカラダの中だけでなく、食べ物の調理過程でも起こります。
こんがり焼けたお肉やパンの焼き色。
あの香ばしい茶色は、実は「メイラード反応」という糖化反応によるものです。
つまり、あの食欲をそそる焼き色は、AGEsが多く作られているサインともいわれています。
調理方法によってAGEsの量は大きく変わります。
AGEsが比較的少ないといわれる調理法
1位 生(刺身、サラダ)
2位 茹でる・蒸す・煮る
3位 焼く・炒める
4位 揚げる
例えば同じ鶏肉でも、蒸したものと唐揚げでは、含まれるAGEsの量に数倍以上の差が出ることもあるといわれています。
蒸し料理や煮物などを取り入れることで、カラダに入るAGEsの量を減らすことにもつながります。
甘いものが欲しくなる理由
糖化を防ぐために甘いものを控えたいと思っても、
「どうしてもお菓子が食べたくなる…」という方は多いのではないでしょうか。
実はその理由のひとつに、主食不足があるといわれています。
脳の主なエネルギー源はブドウ糖です。
ごはんなどの主食をしっかり食べていないと、脳はエネルギー不足になり、
「手っ取り早くエネルギーになるもの=甘いもの」
を欲しやすくなってしまいます。
逆に、お米など炭水化物を適量とっていると、脳に安定してエネルギーが届くため、甘いものへの欲求が起こりにくくなります。
主食の目安としては、ごはん軽く1杯(150g)程度が一般的とされています。
体格や活動量によって必要量は変わりますが、主食を極端に減らしすぎると、かえって甘いものを欲しやすくなることもあります。
また、炭水化物は“幸せホルモン”と呼ばれる「セロトニン」を作るためにも必要です。
主食が不足するとセロトニンが作られにくくなり、甘いものを食べて補おうとすることがあります。
もし、午後3時ごろにお菓子が欲しくなるなら、お昼の主食が少ないのかもしれません。
糖化対策で大切なのは、血糖値を安定させることです。
ごはんの炭水化物は「でんぷん」という形で含まれており、カラダの中でゆっくりブドウ糖に分解されます。
そのため、砂糖の多いお菓子やジュースに比べて血糖値が急激に上がりにくく、エネルギーも安定して補給することができます。
お米などの主食を適量とることは、血糖値を安定させ、甘いものへの欲求を和らげることにもつながります。
食べ過ぎには注意が必要ですが、主食を上手にとり入れることも糖化を防ぐ食べ方の一つです。
糖化を防ぐために取り入れたい栄養素
カラダの中で糖化を防ぐ働きをもつ栄養素を、日々の食事に少し意識して取り入れるだけでも、糖化の進行をゆるやかにすることが期待できます。
ビタミンB1・B6 (糖の代謝を助ける)
ビタミンB1は、カラダの中で糖をエネルギーに変える働きを助ける栄養素です。
糖をスムーズにエネルギーとして使えるようになることで、血液中に余分な糖が残りにくくなります。
また、ビタミンB6には、糖とたんぱく質が結びつく反応を抑える働きがあるといわれています。
多く含まれる食品
・豚ヒレ肉
・納豆
・玄米
・鮭 など
カテキン(糖化をブロックするポリフェノール)
日本人にとって身近な飲みものである緑茶には、「カテキン」というポリフェノールが含まれています。
カテキンは、糖とたんぱく質が結びつこうとする反応を抑える働きがあると考えられています。
食後に一杯の緑茶を飲んだり、甘いものを食べるときに一緒に飲んだりすることも、糖化対策のサポートになります。
クエン酸(糖をエネルギーに変える)
梅干しやレモン、お酢などに含まれるクエン酸は、糖をエネルギーに変える働きを助ける栄養素です。
糖がカラダの中に長く残らなければ、糖化も起こりにくくなります。
食事に少し酸味を加えることも、実は糖化対策の一つです。
食物繊維(血糖値の上昇をゆるやかにする)
特に水溶性食物繊維は、水を含むとゼリーのようなとろみのある状態になります。
このとろみが食べ物や糖を包み込むことで、腸に届くスピードがゆっくりになります。
その結果、血糖値の急激な上昇を防ぐことにつながります。
イメージとしては、コップに入った水を倒してしまったときのことを思い浮かべてみてください。
水なら一気に広がりますが、ゼリー状のものなら広がり方はゆっくりになります。
糖も同じように、一気に吸収されるのではなく、ゆっくりとカラダに取り込まれるようになるのです。
多く含まれる食材
・海藻
・納豆
・粘りのある野菜(オクラ、モロヘイヤなど)
食事の最初に少し野菜を食べる「ベジファースト」も、こうした働きを利用した方法です。
「サラダを全部食べ終わるまでごはんはダメ」ということではありません。
最初に3~5口ほど野菜を食べることで、食物繊維が先に腸に届き、その後に入ってくる糖の吸収がゆるやかになります。
そのあとに、ごはんやおかずを交互に食べても問題ありません。
甘いものを食べる時は
甘いものを食べる時は、ブラックコーヒーや緑茶といただくのがおすすめです。
コーヒーや緑茶に含まれるポリフェノールには、カラダの「糖化」や「酸化」を抑える働きがあるといわれています。
例えば、スイーツと一緒に飲むならブラックコーヒー。
コーヒーには「クロロゲン酸」というポリフェノールが含まれており、糖とたんぱく質が結びつく糖化反応を抑える働きがあるといわれています。
さらに、コーヒーが血糖値の上昇をゆるやかにする可能性を示す研究もあります。
ただしポイントは、砂糖やミルクを入れないブラックで飲むこと。
せっかくのポリフェノールの働きを活かすためにも、できるだけシンプルに楽しむのがおすすめです。
甘いものを楽しむ時間も、心を満たしてくれる大切なひととき。
スイーツのお供にブラックコーヒーや緑茶を選ぶだけでも、カラダへの負担を少し和らげることができます。
新陳代謝でも分解されにくいAGEs
AGEsは分解されにくい物質ですが、私たちのカラダには古くなった細胞を入れ替える仕組みがあります。
カラダの中では新陳代謝によって、古い細胞が新しい細胞へと少しずつ入れ替わり、不要になったものは分解・排出されています。
しかし、AGEsは体内で分解されにくいため、新陳代謝だけでは完全に処理できず、年齢とともに少しずつ蓄積していくといわれています。
そのため、カラダの仕組みに任せるだけではなく、日ごろの食事や生活習慣でAGEsを増やさないことが大切です。
糖化に対抗できる体づくり
AGEsは一度できると分解されにくい物質といわれています。
ですが、日々の生活習慣を整えることで、糖化の影響を受けにくいカラダをつくることはできます。
・食事を整える
・水分をしっかりとる
・カラダを動かす
・食べ過ぎない
こうした習慣を続けることで、カラダは少しずつ整っていきます。
糖化は決して特別な人にだけに起こるものではありません。
誰にでも起こりうるものです。
だからこそ、日々の小さな工夫がとても大切です。
食事や生活習慣を少し意識することが、未来のカラダと肌を守ることにつながります。



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